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会報136号(2016.2)11頁

 (公社)富山県鍼灸マッサージ師会による会報136号(2016.2)11頁です。

編集後記

 昨年12月20日全日本鍼灸学会中部支部B講座で鳥海春樹先生に「耳鳴りとめまい」に関する講演と実技供覧をしていただきました。先生は体表の凸凹した部位をコリMAPと表記し、近位の脊柱外側穴(華佗穴と思われる)に刺鍼してコリを変化解消せしめる治療でした。ガイドライン的な頸部や後頭部への取穴ではなく、刻一刻と変化する病態を瞬時に五感で捉え対処する臨場感のある治療だと感銘しました。
 確かに的確な診察のためには検査結果や既往歴などの情報は重要ですが所詮過去のものです。現在目の前にした患者さんの病態をダイレクトに把握して施術する醍醐味はジャズの即興演奏のようです。灸の名人 深谷伊三郎は患者さんの背中を上から下までゆっくり2度さすって灸点をおろしたそうです。先入観や偏見を排し虚心坦懐に患者さんと向き合う大切さを感じました。

 表紙の写真は正月二日朝、河口湖畔から望んだ世界遺産の富士山です。

 (記 林)